日本の製造工場:従業員数規模別「出荷額」と「付加価値額」
日本には、製造工場数が217,601存在し、その内、9割を従業員数50人未満の小規模工場が占める(2016)ことは記事下のエントリで説明した通り。
従業員数規模別に、各工場の「製造品出荷額*1」と「付加価値額*2」を比較してみた。
50人未満の小さな製造工場の出荷額と付加価値額は各々16.5%、21.3%
図の通り、工場数で全体の90%を閉める、従業員数50人以下の小さな製造工場の製造品出荷額は、51兆円(全体の16.5%)、付加価値額は、21兆円(同21.3%)と、数に比して小さいことがわかる。
他方で、工場数では全体の5%に過ぎない従業員数が100 - 500人の中規模工場の、製造品出荷額は、106兆円(全体の34%)、付加価値額は、33兆円(同33%)と相対的に大きいことが分かる。
ここで、中規模工場の方が、製造品出荷額に占める付加価値額の割合が相対的に低いことについては、別エントリーで考察したい。
*1:1年間の「製造品出荷額」、「加工賃収入額」、「修理料収入額」、「製造工程から出たくず及び廃物」の出荷額とその他の収入の合計です。なお、製造品の出荷とは、その事業所の所有する原材料によって製造されたもの(原材料を他に支給し て製造させたものを含む)を当該事業所から出荷した場合をいいます。この場合、同一企業に属する他の事業所へ引き渡したもの、自家使用れたもの、委託販売 に出したものなども製造品出荷に含みます。
*2:事業所の生産活動において、新たに付け加えられた価値のことです。なお工業統計調査における付加価値額の算式は、以下の通りです。
(算式)
- 付加価値額=生産額ー内国消費税額ー原材料使用額等ー減価償却額
生産額=製造品出荷額等+(製造品年末在庫額ー製造品年初在庫額)+(半製品及び仕掛品年末在庫額ー半製品及び仕掛品年初在庫額)
日本の製造工場:産業別工場数
日本には、製造工場数が217,601(2016)存在し、その内、9割を従業員数50人未満の小規模工場が占める。記事下のエントリの通り。
これらを産業別に分類してみた
ソース | 統計表一覧|経済センサス‐活動調査|経済産業省
生産改善コンサル:福澤商店
昨日に続き、本日も生産改善のコンサルタント業務を行う福澤商店を特集する。
同社は2017年1月に設立したばかりのベンチャー企業。
基本情報
開示されていない情報が多いが、概要は以下の通り。
業務内容
「製造業」のものづくり現場改善を得意としているが、業種・業態に問わずコンサルを行なっている。福澤商店自体は、ITアプローチでの現場改善はされていない様子。尚、昨日紹介したOJTソリューションズとのサービス提供内容の違いは然程ない。
仕組み構築コンサル
- 生産管理・原価管理フロー・工場間物流・在庫管理・サプライチェーンの最適化。
プロジェクトコンサル
- 新工場・新規ライン導入(特に工程レイアウト・生産仕組みなど)
- 新製品立上げのプロジェクト推進(特に製造/物流など)
- 現場改善(原価低減)・現場改善力構築
- 品質不良低減進め方提案
- 客先からの受注~生産リードタイム短縮・最適化
社長の人となり
社長である福澤社長の年齢は30代前半と若く、生産改善コンサル以外にも空飛ぶ車プロジェク等にも参加。勢いがあり、製造業改善に関する熱いメッセージや製造業の面白さを発信している。
福澤知浩 「ものづくりを通じて皆の日常の幸せ、世界平和に貢献したい」 | ヒトトナリ
ご参考まで
(改善活動には関係ないが)、福澤氏が参加するcartivator(空飛ぶ車プロジェクト)にはトヨタ自動車出身の若いエンジニアやソフトウェア設計エンジニアが数名いる。
生産改善コンサル:株式会社 OJTソリューションズ
生産改善のコンサルタント業務を行う企業を紹介したい。本稿では株式会社OJTソリューションズを特集する。
基本情報
同社はトヨタ自動車とリクルートグループが2002年4月に設立したコンサルティング会社。
トヨタ自動車出身のベテラン技術者たちが同社で培ったノウハウを相談・依頼した企業/工場に足を運び、診断を行い、コンサルタントを行う事業である。
企業理念
自律的な「人」を育て、定着のための「しくみ」を構築することで、企業力につながる「実行力=現場力」を高める
これは同社の企業理念であり、以下三点を主眼に置いている。
- 現場:現場の意識改善を行うことで経営戦略の隔日制・迅速性を高める
- 人:現場を改善できる人を育成。
- しくみ:改善内容をしくみに落とし込み、組織に浸透させる。
その他
40年以上の経験があるコンサルタントが現場に出向き、改善点を指導するが、一般的に知られている内容も含まれていることも多々ある模様。但し、経験則に基づいたアドバイスは、役立つところには役立つという依頼企業関係者の声あり。
以下は、同社に関係するウェブリンク。
今後、複数社の基本情報・業務内容を纏め、各社のポジショニング・サービス内容の違いを改めて別の記事にすることとする。
日本の製造工場:従業員数別工場数
日本には、製造工場数が217,601(2016)存在するが、工場数を従業員数別に分解してみた。
50人未満の小さな製造工場が全体の9割を占める
以下表の通り、全217,601ある製造工場を、従業員数別に見てみると、50人未満の小さな製造工場が189,782ヶ所(87.3%)と大半を占めることがわかる。
従業員数50人以上100人未満の製造工場数は、14,769と、全体の6.8%。
従業員数100人以上500人未満の製造工場は、11,573と、全体の5.3%。
従業員1,000人以上の大規模製造工場に至っては、全体の0.2%に過ぎない。
日本の製造工場:工場数とその推移
ものづくり大国 日本。
日本には、どれだけ製造業に関わる工場があり、その製造工場数*1が、どの様に推移しているのか調べてみた。
日本には217,601もの製造工場が存在する(2016年)
日本には、製造工場が217,601存在する。
日本全国で、コンビニエンスストアは55,341店舗存在する(2017.10)ことを考えると、ものづくり大国として、納得できる工場数であると言える。
過去10年で15.8%減少
一方で、以下グラフに示す通り、2006年から10年で15.8%製造工場数が減少している。
製造工場数が日本全体として減少傾向にあることは、一般的な想像通りであろう。減少の背景は、別の記事で改めて調べることとする。